倫敦市の人々
一方、ここは大時鐘時計台。

「…最近来客が多いね…僕は静かな一時を好むんだが…」

時計台の時計部屋で、アイヴィーは背を向けたまま呟く。

「はじめましてね、アイヴィー・クレメント…お互い倫敦市を縄張りにして長いのに、こうして言葉を交わすのは初めてね」

彼の背後で、ラミアはいつもの魅力的な笑みを浮かべた。

「ところで見てたかしら?聖堂騎士団に本性を取り戻したジャック、得体の知れないお嬢さんまで現れたのよ?」

「…興味がない」

尚も振り向かずに呟くアイヴィー。

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