倫敦市の人々
「単刀直入に言うわ、アイヴィー」

ラミアは言う。

「吸血鬼同士、私と組んで頂戴」

「何故」

「聖堂騎士団や影のお嬢さんに出し抜かれる事なく、ジャックの息の根を私が止めたいの。同じ吸血鬼のよしみで、少しくらいなら貴方にも分けてあげるわ」

「勝手にやりたまえ」

「いいじゃない、手を貸してよ。時計台で傍観してるのもつまらないでしょ?」

「僕は『最愛』さえいればいい」

「ジャックみたいな化け物が徘徊すれば、その『最愛』にも危害が及ぶかもね」

「……」

振り向いたアイヴィーのモノクルが、鋭く光を反射する。

「その時は聖堂騎士団だろうが化け物だろうが、僕が八つ裂きにする」

「なら」

ラミアの口角がつり上がる。

「私と組んで殺った方が、手間が省けるでしょ?」

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