倫敦市の人々
太陽表面のプロミネンスのように、プールの表面を幾つもの水が跳ねる。

水柱が立ち、渦を巻き、飛沫が跳ね、降り注ぎ、虹を描く。

水が演出する芸術。

その演出の中を、空中ブランコが行き交い、道化師が飛び跳ねる。

「どうなってんだこれ!すげぇすげぇっ!」

美弦の隣で興奮しっ放しの友人。

対照的に美弦は、その圧倒的なステージに言葉を失っている。

子供騙しな曲芸ショーかと思っていたが、考えを改める。

目の前で繰り広げられるのは、最早魔法と見紛うばかりのエンターテイメントだった。

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