倫敦市の人々
「君は…さっきのサーカスの曲芸師の…」

目の前に立つフミを見て、美弦が呟く。

「あれ?公演観てくれたんだ?嬉しいなぁ」

明るい笑顔を浮かべるフミ。

身につけている衣装は、公演の時の露出の多い踊り娘のものだ。

こんな格好で街中に…寒くないのだろうか。

「そんな事より、君が助けてくれたのか?」

立ち上がる美弦。

「うん、『教会』の途中でね」

フミは頷く。

「教会?」

「あ、えーと…まぁこっちの話だよ」

説明が面倒だったのか、フミは話を端折った。

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