倫敦市の人々
意を決し、美弦は全てを語った。

自分が鬼の力を持つ事、家系が片腕を失う宿命を持つ事、一分後の未来を予見できる能力によって今までは未然に災難を回避できていた事。

普通の人間ならば、引いてしまうか付き合いを敬遠するような話かもしれない。

仲間外れにされてしまってもおかしくないかもしれない。

だが。

「…貴方もその能力のせいで…あの影使いの少女に狙われているのかもしれない…」

言ったのは瑠架だった。

「ジャックを連れ去った時の口ぶりから見るに…あの少女は特異な能力の持ち主を集めている節がある…彼女は何らかの方法で美弦の鬼の力を知って…手駒にしようとしているのかも…」

美弦の話に驚くでもなく、彼女は淡々と語る。

< 194 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop