倫敦市の人々
「どうにかなるって、何が…?」

部屋の中に響く少女の声。

この場にいる、誰の声でもない。

ロンが警戒して激しく吠える中。

「ワンちゃん、静かにしてて?」

部屋の中の美弦の影から、ヌゥッと。

黒いドレスコートの少女が姿を現した。

影使いである彼女…闇珠は、影であれば誰のどの影であろうと自在に出入りできる。

インプ達を放ったのは、手強い瑠架達への陽動。

聖堂騎士団を遠ざけてしまえば、あとは訳もない。

「鬼のお兄さん…私と一緒に来てね?」

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