倫敦市の人々
「無駄よ」

闇珠の様子を見ながら、ラミアが言った。

「今のジャックは、火葬機関でさえ飼い慣らす事のできなかった正真正銘の『狂犬』よ。『魔獣』と言ってもいいわ。誰にも彼を繋ぎ留める事は出来ないわ」

「うん、知ってる」

ニパッと笑う闇珠。

「彼を使役できる筈なんてないわ。吸血鬼と人狼…血統書付きの化け物二種類の混血だもの。誰もジャックを言いなりになんて出来ない」

「なら何でジャックを捕らえたの?」

ラミアの問いかけに。

「私は『希少種』を集めてるの」

闇珠は答えた。

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