倫敦市の人々
「それで」

眉間に皺を寄せ、ジャックは問いかける。

「殺したのか?」

「ううん」

ユヤは首を横に振る。

「足を撃ったら泣いて命乞いしたから、見逃してやった」

「いいか、ユヤ」

ジャックはユヤの目線までしゃがむ。

「金輪際、人は撃つな。例えギャングが相手でもだ」

「撃たないでどうやって縄張り守るんだよ?」

「威嚇射撃程度にしておけ。ましてや殺すなんて以ての外だ。殺したら最後、お前は『堕ちる』」

「堕ちる?どこに?」

「わからんでもいい」

ジャックは立ち上がった。

「いいか、絶対に人は撃つな」

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