倫敦市の人々
「ほぅ」

杖に仕込んだレイピアを抜き、受け太刀するアイヴィー。

火花散る鍔迫り合い。

受け太刀した手が痺れる。

細身のレイピアでは、高周波ブレードの超振動で折れてしまいそうだ。

いや、これは高周波ブレードによるものではないか。

「まるで別人だな。あの時とは膂力が全く違う」

「グルルルルルァァァッ!」

「代償に理性と知性を失ったか…憐れなケダモノだ」

まともに会話さえ成立しないジャックの刃を、アイヴィーは脱力する事で受け流す。

「柔よく剛を制す、だったかな?」

ジャックの剛剣を、まさしく流麗な柔の動きで捌くアイヴィー。

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