倫敦市の人々
アイヴィーとラミア、倫敦市での数百年に亘る抗争を生き抜いてきた吸血鬼二人を相手取って尚、闇珠とジャックには余力がある。

聖堂騎士団、吸血鬼に続く倫敦市第三の勢力と呼ぶに相応しい面々だ。

何も知らず家路を急ぐ人々が渡るタワーブリッジの遥か頭上、塔の上で繰り広げられる人ならざるもの達の戦い。

「苛々するわね…」

ラミアの美貌から微笑が消え、次第に怒りの表情が浮かんでいく。

「ジャックとは私の方が付き合いが長いのよ。それを横恋慕なんてよくないわ、お嬢さん…さっさとジャックをこちらに引き渡して消えなさい。そうしたら八つ裂きは勘弁してあげるから」

< 237 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop