倫敦市の人々
気がつけば、アイヴィーと斬り結んでいたジャックの姿もない。

「してやられたようだね、ラミア」

「くっ!」

苛立ちを抑えきれずに塔の外壁を殴りつけるラミア。

煉瓦造りの壁が、音を立てて砕けた。

そんな彼女を嘲笑うように、何処からか声が聞こえる。

『ごめんねお姉さん、でも希少種は一人残らず私のものにするわ…私、欲しい物はどんな手段を使っても手に入れる主義なの』

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