倫敦市の人々
その夜。

フミに連れられてコートニー達はイグレシアのテントを訪れる。

既にその日の公演は終わり、テントのある会場付近は静まり返っている。

「団長のテントはここだよ」

フミの案内でテントに足を踏み入れるコートニー達。

そこには確かに、椅子に座った女性がいた。

目を閉じ、規則正しい寝息を繰り返している事から、死んでない事はわかる。

だがそれだけだ。

今にも目を開きそうなのに、ずっとこのまま、もう一週間は眠り続けているという。

これがヒュプノス病。

何をしても目覚める事のない、倫敦市でのみ流行する奇病だった。

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