倫敦市の人々
「伝染したりしないのか?」

ユヤが少しおっかなびっくりで言う。

「大丈夫だと思うよ。私は毎日団長の世話をしているけど、ヒュプノス病には罹らないもん」

答えるフミ。

「…少し失礼するの」

コートニーは椅子に座ったままの団長に近づく。

頬に触れてみたり、閉じたままの瞼を開いて瞳孔を確認したり、手首に触れて脈をとったり。

「…何かわかった?コートニー…」

瑠架の問いかけに。

「……」

コートニーは振り向く。

「彼女…団長は病気じゃない…」

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