倫敦市の人々
震える手で小瓶を受け取るフミ。

その表情は緊張している。

本当に目覚めてくれるだろうか。

そもそも、このエリクサーという薬品は大丈夫なのだろうか。

コートニーが元々所属していた火葬機関という組織は、非道な人体実験によって錬金術の成果を挙げていたと聞いた。

そんな組織にいた人間であるコートニーがくれた薬品を、信用していいのか。

これを飲ませたら、団長は更に酷い事になってしまうのではないか。

「……」

チラリと、コートニーの顔を見る。

無表情で、感情の欠片も感じさせないコートニー。

しかし瞳は。

瞳だけは、真摯な眼差しでフミを見ている。

(………………信じる)

フミは決断する。

(私はコートニーを信じる!)

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