倫敦市の人々
各地を転々としていて倫敦市に辿り着き、そのまま住み着いた彩と、とある施設出身の美麗。
共に年頃の娘だ。
とても闇珠の言う希少種のようには見えないが…。
「押し通る…そこをどいて…!」
鍔迫り合いの体勢から、二刀を押し退けようとする瑠架。
しかし。
「!?」
彩の持つ二刀によって、寧ろ刃毀れしたのは瑠架の剣の方だった。
「そんな…形状記憶合金製の剣が…」
「……」
狼狽する瑠架を、無表情のまま斬ろうとする彩!
止むを得ず、瑠架は後方に跳んで一旦距離を置いた。
「彩は無口だから、私が代わりに説明するね」
闇珠が笑顔のまま言う。
「彩は金属であれば何でも好きな形に変えられる力を持つ、ちょっと変わった家の出身なの。いつもヒヒイロカネとオリハルコンを持ち歩いててさ、今持っているのは、それを刀にしたものなの」
ヒヒイロカネは、太古日本で様々な用途で使われていたとされる伝説の金属または合金。
その比重は金よりも軽量であるが、合金としてのヒヒイロカネは金剛石(ダイヤモンド)よりも硬く、永久不変で絶対に錆びない性質をもつという。
オリハルコンはアトランティスに存在したという幻の金属。
未知の新素材や動力源と関連付けられて語られる。
どちらも現代では入手さえ難しい未知の金属だ。
共に年頃の娘だ。
とても闇珠の言う希少種のようには見えないが…。
「押し通る…そこをどいて…!」
鍔迫り合いの体勢から、二刀を押し退けようとする瑠架。
しかし。
「!?」
彩の持つ二刀によって、寧ろ刃毀れしたのは瑠架の剣の方だった。
「そんな…形状記憶合金製の剣が…」
「……」
狼狽する瑠架を、無表情のまま斬ろうとする彩!
止むを得ず、瑠架は後方に跳んで一旦距離を置いた。
「彩は無口だから、私が代わりに説明するね」
闇珠が笑顔のまま言う。
「彩は金属であれば何でも好きな形に変えられる力を持つ、ちょっと変わった家の出身なの。いつもヒヒイロカネとオリハルコンを持ち歩いててさ、今持っているのは、それを刀にしたものなの」
ヒヒイロカネは、太古日本で様々な用途で使われていたとされる伝説の金属または合金。
その比重は金よりも軽量であるが、合金としてのヒヒイロカネは金剛石(ダイヤモンド)よりも硬く、永久不変で絶対に錆びない性質をもつという。
オリハルコンはアトランティスに存在したという幻の金属。
未知の新素材や動力源と関連付けられて語られる。
どちらも現代では入手さえ難しい未知の金属だ。