倫敦市の人々
握り締めたヒヒイロカネとオリハルコン、二振りの刀を元の野球ボール大の金属に戻し、彩はスタスタと歩いていく。

塔の縁に腰掛け、冷たい風に髪を靡かせる。

夜のタワーブリッジは寒いが、そんな事を気にする様子もなく、彩は眼下を見下ろす。

その横顔は、どことなく先程までより機嫌がよさそうに見えた。

感情が読み取り辛い分、扱い辛い所もあるが、下手に干渉さえしなければ無害な娘だ。

したいようにさせればいいだろう。

闇珠は彩を放任する事にした。

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