倫敦市の人々
己の目的を邪魔する者ならば、誰であろうと敵と見なす。

ジャックは苦痛に喘ぐ彩目掛けて、真っ直ぐに突進する!

当然、彩の息の根を止めるのが狙い。

切っ先を彩に向け、脇目も振らずに間合いを詰めたジャックは。

「グゥッ!」

突然視界に割り込んできた使い魔に邪魔をされる。

闇珠の放ったインプ達だ。

だが斬影式鬼でも、一時的な足止めにしかならない。

容易くインプ達を切り刻むジャック。

「長くはもたないわ、今のうちに早く逃げて、さぁ!」

叫ぶ闇珠。

しかしその隙すら与えず、ジャックは瞬時にインプ達を始末すると、再び彩に切っ先を向ける!

が。

「ガッ!」

急に目眩にも似た不安定な動きを見せるジャック。

その背後に立っているのは美麗。

「彩ちゃんを虐めるのは、許さないんだからっ」

その口が、モグモグと動いている。

彼女はジャックの『何か』を食べていた。

< 299 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop