倫敦市の人々
「折角のティータイムにお邪魔してごめんねぇ」

人差し指を唇に当て、闇珠はクスクス笑う。

「ちょっと手違いがあってさ、ジャックを逃がしちゃったの。こっちで保護しててくれて助かったわ、さ、ジャック、帰りましょ?」

「ふざけるな!」

手を差し伸べる闇珠に、ユヤがシカゴタイプライターの銃口を向ける。

「折角帰ってきたんだ!誰がお前なんかに兄ちゃんを渡すもんか!」

「……」

彩がオリハルコンで柄を、ヒヒイロカネで穂先を作り出し、一振りの槍に変化させる。

最強の金属で作り上げた、最強の槍だ。

それを構えてユヤを蹴散らそうとするが。

「まぁまぁ」

闇珠がそれを諌めた。

< 311 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop