倫敦市の人々
狭い店内で繰り広げられる、激しい戦闘。

薙ぐような槍の払いを、高周波ブレードの横薙ぎを叩きつける事で相殺するジャック。

止められたと見るや、彩は下段からの振り上げでジャックを狙う!

今度は大上段からの振り下ろしでこれを止めるジャック。

膂力はジャックの方が上だが、彩の持つ槍の方が得物としては遥かに上だ。

結果として二人の攻防は互角となっていた。

撃剣の音が響き渡り、その凄まじい力感が周囲で見ている者達を圧倒する。

闇珠や瑠架でさえ、迂闊に手を出せないほどの戦い。

そんな戦いに。

「おい、止せ!二人とも!」

入っていったのは美弦だった。

ジャックと彩が敵対しているのは分かっている。

だが、だからといって殺し合うほどの理由か?

一旦互いに刃をおさめて、話し合う訳にはいかないのか?

そんな思いから美弦は割って入る。

切り結び合うジャックと彩。

交錯し合う刀と槍。

その真っ只中に美弦は不用意に飛び込み、結果として。

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