倫敦市の人々
今はそれよりも。

「あむっ!」

美麗が美弦から『何か』を食べる。

途端に、汗びっしょりになって苦痛に呻いていた美弦の声が落ち着く。

美麗は『痛み』を食べる事で、美弦の苦しみを和らげたのだ。

とはいえ、麻酔のようなもの。

傷自体が治る訳ではない。

「何やってるのっ?」

闇珠が叫ぶ。

「急いで美弦を病院へ!希少種の彼を出血多量で死なせるつもりっ?」

敵対していたジャックや瑠架達に対し、彼女はテキパキと指示を出す。

「美弦を助ける間は、一時休戦よ!」

その言葉で、慌しく動き出す面々。

そこへ。

「どうしたの…何の騒ぎ…?」

巡回に出ていたコートニーが戻ってきた。

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