倫敦市の人々
這いずり出す『遺産』
床に横たわった美弦の傍らにしゃがむコートニー。

エリクサーの小瓶を開け。

「さぁ…飲んで…」

苦しそうに息をする美弦の口元に寄せる。

荒く呼吸を繰り返しながらも、何とか液体を嚥下する美弦。

錬金術の神秘とされる万能薬は、人体の治癒力を最大限に高める。

その効果に期待するしかない。

エリクサーを全て飲み干したのを確認し。

「腕を…!」

コートニーは指示を出す。

すぐに彩が、切断された美弦の右腕を抱きかかえて近づく。

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