倫敦市の人々
映像の中、倫敦市の市民達ににじり寄るホムンクルス。

彼らは言語を話さず、うわ言ばかりを繰り返しながら歩を進める。

その嫌悪感を引き出す姿に逃げ惑う市民。

しかし、ジャーナリストとしての本能という奴なのか。

テレビの取材クルー達は、ギリギリまでその姿をカメラに収めようとして。

「うわっ!」

カメラマンが一体のホムンクルスに捕まった。

必死に振り解こうとしているのか、激しくブレる画面。

だがホムンクルスは離れない、放さない。

「何だコイツ!すげぇ力だ!放せ!放せよこのっ!」

カメラマンの声が、生々しく映像を通じて聞こえてくる。

もがき、逃れようとして暴れるカメラマンの視点。

それでもホムンクルスは放さない。

カメラマンを両腕でしっかりと捕まえたまま、ニチャア…と、粘ついた口を大きく開いた。

見た目は胎児のようなのに、その口の中に生え揃っていたのは凶悪なまでの肉食獣の如き牙。

その口で、ホムンクルスはカメラマンを…。

「ぎゃあぁぁあああぁあぁぁああぁっっ!」

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