倫敦市の人々
石畳と煉瓦造りの街並みを歩き、倫敦市郊外。

「ここです」

椎奈が明るく言う。

こぢんまりとした小さな花屋。

軒には木製の看板に『The florist of Siina(椎奈のお花屋さん)』と筆記体で綴られている。

本当に椎奈一人で営んでいる、控えめな店のようだった。

「入って下さい、狭い所ですけど」

店の正面から入っていく椎奈。

軒先に並べられている花々の間をすり抜けながら、ジャックとユヤも続いた。

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