倫敦市の人々
自分はいいのだ。

最早取り返しのつかない所まで来ているのであろう。

ユヤや椎奈、瑠架やコートニー、闇珠といった、恐らくジャックの過去を知っているであろう者達は、気を遣って何も語らない。

が、仲間達の態度を見ていれば分かる。

自分がまともな過去を送っていなかった事くらい。

だがフミ、彩、美麗は違う。

まだ純真無垢なままの少女達。

特異な能力を持っていようと、血に塗れる事なく生きる選択肢とてあるのだ。

そんな彼女達が、ジャックと同じ道を歩む必要はない。

このホムンクルスとの交戦で、道を誤らなければいいが…。

ジャックは心を痛める。

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