倫敦市の人々
そんな彼の頭上。

「考え事なんて随分余裕ねぇ?」

「!?」

聞こえてくる女の声に、ジャックは見上げる。

舞い降りてきたのは、美貌の女吸血鬼!

鋭い手刀の一撃を飛び退いて回避したジャックは、高周波ブレードを片手に石畳の上を滑るようにして踏み止まった。

「何者だ、ホムンクルスの仲間か?」

「あらぁ?」

警戒するジャックの前で、その女吸血鬼…ラミアは真っ直ぐに立った。

「また記憶喪失になったの?私の事を忘れてるなんて、ショックだわぁ」

「…お前は俺が何者か知ってるのか?」

問いかけるジャックに。

「そのやり取りももう飽きたわ」

ラミアは薄く笑って見せた。

< 348 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop