倫敦市の人々
両手をくびれた腰に当て、ジャックを見つめるラミア。

隙だらけに見えるのに、打ち込む隙が見当たらない。

そして、凶暴な黒豹でも目の前にしたかのような強烈な殺気。

この女が只者ではない…いや、『人間ではない』事は、すぐに察知する事が出来た。

「少なくとも貴方の味方じゃないわ、ジャック…そして今、この倫敦市に徘徊しているホムンクルスの味方でもない…」

ペロリと唇を舐めるラミア。

その仕草が妖艶に見える。

「どちらの味方でもないのならば、今は退いてはくれないか。俺達はホムンクルスを始末したいだけだ。お前が何者であろうと、手出しする気はない」

「そんな貴方の都合に興味はないわね」

ジャックの提案を却下して、ラミアは手刀を構えた。

「私は貴方を殺したいだけよ、ジャック…」

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