倫敦市の人々
「お腹は空いていませんか?」

部屋に入るなり、パタパタと慌しく動き回る椎奈。

元植物である椎奈の食事は、普段から水と肥料。

だがジャックやユヤにまで、それを食べさせる訳にはいかない。

市内の西の果て(ウエストエンド)地区周辺まで行けば、バーやレストラン、中華街(チャイナタウン)などもあるのだが、主に富裕層が出入りする場所なので料金が比較的高めだ。

「そんなに気を遣わなくていい。勝手に邪魔をした身だ」

ジャックが椎奈に言うが。

「俺は腹減った!椎奈何か食わせろ!」

流石に純粋無垢というか遠慮を知らないというか。

ユヤは食事を要求する。

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