倫敦市の人々
ラミアから受けた傷もそのままに、ジャックは完全に立ち上がった。

もう高周波ブレードを支えにする事もない。

己の両足のみで、しっかりと立ってアイヴィーと対峙している。

「妬けちゃうわね…私はまだ傷が回復していないっていうのに…アイヴィーともうイチャイチャできちゃうのかしらぁ?」

傷を庇って跪いたままのラミアが言う。

「譲ってあげたいくらいだよ、ラミア。僕はケダモノとじゃれ合う趣味はないんだが…」

チラリとジャックを見るアイヴィー。

その表情は、憤怒に震えている。

「どうやら僕が相手しないと、彼は収まりがつかないようだ」

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