倫敦市の人々
びしょ濡れのまま着地するジャック。

あの崩落に巻き込まれて尚、彼は死んでいなかった。

「不死は吸血鬼の専売特許なのだが…そうか、君には吸血鬼の血も流れているのだったな」

「ああ…汚らわしい血だ…だがお陰で命を取り留めたのは感謝している」

「要らんよ、ケダモノの感謝の意など」

対峙したまま、再び刃を抜き放つ両者。

人外同士の決闘は、どちらかが死ぬまで続けられる。

長く生きる事の出来る者達だ。

こうでもしない限り、未来永劫生き続ける事もある。

寿命によって死ぬ人外など、皆無と言ってもいい。

常に殺し、殺されの生涯を歩む。

彼らにとっては、それが運命。

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