倫敦市の人々
「おや」

アイヴィーが意外な顔をする。

「僕の事は無視かな?まぁ決着を急ぐ訳でもないがね」

「そんなお前だからこそ、奴を優先する事が出来る」

高周波ブレードを握り締め、ジャックは歩き出す。

「今現在、この都市にとっての脅威はお前よりもあのホムンクルスだ。奴の駆逐を優先する」

「…解せないな」

レイピアを鞘に納め、アイヴィーは首を傾げた。

「君は吸血鬼殲滅にのみ心血を注ぐのかと思っていたが…殺せれば誰でもいいのかね?」

「かつての俺はどうだったか知らん」

振り向きもせずに言うジャック。

「だが今は、この都市を守りたい」

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