倫敦市の人々
警察に頼る気はない。

となると。

「じゃあ私がチラシとか作って、お花屋さんに来るお客さんに訊いてみたりしますよっ」

真剣な顔で言う椎奈。

「…そんなに椎奈が骨を折る必要はない」

ジャックは落ち着いた口調で言う。

「君にとっては俺など厄介者の浮浪者に過ぎないだろう。住む場所を提供して、食事まで準備してくれて…もうこれ以上迷惑をかける訳にはいかない」

ジャックとて人並みの感覚は持っている。

あまり世話になる訳にはいかないと考えるのだが…。

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