倫敦市の人々
ロンとユヤの動きを封じ。

「あーあ、つまらないわ」

ラミアは懐から新しいトマトジュースの缶を取り出す。

プルトップを片手で開けながら、溜息。

「懐かしい顔を見かけたから、久し振りに愉しめると思ったのに…私を見て『待て』のできない犬みたいにがっついて来たあの頃が夢のようだわ」

「……!」

真実の断片のみを小出しに聞かせ、生殺しを繰り返すラミアに歯噛みするしかないジャック。

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