倫敦市の人々
根気よく一段ずつ踏み締めていくジャックとロン。

とはいえ、各階に部屋がある訳ではない。

一応各階層に分かれているものの、9階までは踊り場がある程度。

その踊り場に、この時計台の予備部品や工具が無造作に保管されている程度だった。

そして10階が振り子部屋。

長さ3.9メートル、重さ300キロ、2秒ごとに時を刻む振り子がここに存在する。

構造全体では重さ5トンになる巨大なものだ。

大時鐘時計台の振り子をこんな間近で見た者は、倫敦市民でもそう多くはないだろう。

そしてその更に上、11階…。

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