倫敦市の人々
構えるや否や、いきなりその引き金を引くユヤ!

射殺される謂れもなく、ジャックはその銃撃を回避する。

人間離れした、見た目通りの獣のような敏捷な動き。

「わお!すごいね兄ちゃんっ!」

行動とは裏腹に、ユヤは無邪気にジャックの動きを賞賛する。

「…何故撃つ?」

「ホームレス狩りでぇす!」

クイズに回答するかのような口調で言うユヤ。

「俺、ストリートギャングだからさっ、こうやって何か金目のもん奪い取って生活してんのさっ、兄ちゃん、持ってるその剣よこせよっ!」

陽気にジャックから強盗しようとするユヤ。

彼の言う通り、ジャックは剣を持っていた。

正確には剣ではなく、日本古来の刀剣…日本刀であったのだが。

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