倫敦市の人々
ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』、シェリダン・レ・ファニュの『カーミラ』など多くの創作において登場してきた生と死を超えた者、または生と死の狭間に存在する者、不死者の王。

ヴァンパイア、ヴァンピールなどとも称される。

古くから血液は生命の根源であると考えられており、死者が血を渇望するという考えも古くから存在する。

例えばアステカでは人間の心臓と血液を捧げる血の儀式があり、キリスト教では血が神聖視され、古代ギリシアに書かれたオデュッセイアでは、オデュッセウスが降霊の儀式を行う際に生け贄の子羊の新鮮な血を用いるくだりがある。

このような伝承が吸血鬼の発祥と思われる。

「お前やラミアがその吸血鬼だというのか?」

ジャックの言葉が疑いの色を帯びる。

いや、疑いというよりは信じられないといった所か。

自身が二度死んだと言われた時から、何か超常的な存在の可能性は考えていた。

しかし、目の前にいるこの男が吸血鬼とは…。

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