倫敦市の人々
錬金術とは、最も狭義には化学的手段を用いて卑金属から貴金属(特に金)を精錬しようとする試みの事。

広義では、金属に限らず様々な物質や、人間の肉体や魂をも対象として、それらをより完全な存在に錬成する試みを指す。

錬金術の試行の過程で、硫酸・硝酸・塩酸など、現在の化学薬品の発見が多くなされており、実験道具が発明された。

その成果は現在の化学にも引き継がれている。

歴史学者フランシス・イェイツは16世紀の錬金術が17世紀の自然科学を生み出したと指摘した。

だが錬金術は、化学に大きな進歩を与えただけではなく、歴史には語られない暗黒の技術も多く生み出した。

それこそ、人を人とも思わぬ人体実験の犠牲の果ての技術も数多に存在するのだ。

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