倫敦市の人々
「面白い」

杖を両手で握り締めるアイヴィー。

その柄から、細身の刃がスラリと抜き放たれる。

レイピア。

細身で先端の鋭く尖った刺突用の片手剣。

16世紀から17世紀頃のヨーロッパで、主に護身或いは決闘の際の武器として用いられた。

黒衣の紳士がレイピアを構える姿は、実に様になる。

右手にレイピアを握り、左手を後ろに回して腰に当て。

アイヴィーはジャックに向き直った。

「俄然君に興味が湧いてきたよ」

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