いとしいこどもたちに祝福を【後編】
26 逢魔が時に逢瀬
「いいよ。晴が今の俺のことを覚えていてくれれば」
「晴、兄さん。おかえり」
霊奈の邸に戻ると、陸が玄関で出迎えてくれた。
「陸」
「あれ、さっきのお客様はもう帰られたのかい?珍しいね」
「うん。この後も予定が入ってるんだって伝えたら、比較的早めに話を切り上げてくれたよ。だから俺、自分で晴を迎えに行けたのに」
弟から少々不満げに見つめられ、京は苦笑した。
「気持ちは解るけどね。晴海ちゃんは今日一日ずっとお前を待っててくれたんだ、これ以上待たせたら悪いだろ」
京に頭を軽く小突かれ、陸は口を尖らせながら分かってるよ、と相槌を打った。
そんな陸にくすりと笑うと、京は先に行ってしまった。
「――晴、今日はずっと放ったらかしにしててごめん」
「ううん、沢山の人たちと逢って大変だったんでしょ?大丈夫?」
少し疲れたような顔をしていて、何だか心配だ。
「平気だよ」
陸はそう言って笑うのだが。
「明日も忙しいの?」
「う…ん、今日程ではないと思うけど多分、忙しくなりそう」
不意に陸が屈んだかと思うと、肩にぽすんと額が乗せられた。
次いで、そのまま陸の両腕に抱き締められる。
霊奈の邸に戻ると、陸が玄関で出迎えてくれた。
「陸」
「あれ、さっきのお客様はもう帰られたのかい?珍しいね」
「うん。この後も予定が入ってるんだって伝えたら、比較的早めに話を切り上げてくれたよ。だから俺、自分で晴を迎えに行けたのに」
弟から少々不満げに見つめられ、京は苦笑した。
「気持ちは解るけどね。晴海ちゃんは今日一日ずっとお前を待っててくれたんだ、これ以上待たせたら悪いだろ」
京に頭を軽く小突かれ、陸は口を尖らせながら分かってるよ、と相槌を打った。
そんな陸にくすりと笑うと、京は先に行ってしまった。
「――晴、今日はずっと放ったらかしにしててごめん」
「ううん、沢山の人たちと逢って大変だったんでしょ?大丈夫?」
少し疲れたような顔をしていて、何だか心配だ。
「平気だよ」
陸はそう言って笑うのだが。
「明日も忙しいの?」
「う…ん、今日程ではないと思うけど多分、忙しくなりそう」
不意に陸が屈んだかと思うと、肩にぽすんと額が乗せられた。
次いで、そのまま陸の両腕に抱き締められる。