いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「りく?」
やはり疲れているんだろう。
それとも何か嫌なことでもあったのだろうか。
今日陸が顔を合わせた人物の中には、真都のように陸に好意的でない者もいたのかも知れない。
それに、あのあと邸に向かった真都とも顔を合わせている筈だろう。
「この後に入ってる予定って、すぐに行かなきゃならないの?陸も居ないと駄目?」
「駄目だよ、俺でなきゃ」
陸はそのままの体勢で小さく呟くと、一層腕に力を込めた。
「そっか…疲れてるのに、大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
そして不意に顔を上げてから、晴海の手を引いて歩き出した。
「行こう、晴」
「えっ?で、でも…」
戸惑いを隠せずにいると、陸はくるりと振り向いて嬉しそうに微笑んだ。
「今から入ってるのは、晴と一緒にいるって予定だから」
「!」
そうして陸は手を繋いだまま、邸には入らず庭園の方へと足を向けた。
辺りは陽が沈みかけていたが、所々に外灯が設置された庭はぼんやりと薄明るい。
やはり疲れているんだろう。
それとも何か嫌なことでもあったのだろうか。
今日陸が顔を合わせた人物の中には、真都のように陸に好意的でない者もいたのかも知れない。
それに、あのあと邸に向かった真都とも顔を合わせている筈だろう。
「この後に入ってる予定って、すぐに行かなきゃならないの?陸も居ないと駄目?」
「駄目だよ、俺でなきゃ」
陸はそのままの体勢で小さく呟くと、一層腕に力を込めた。
「そっか…疲れてるのに、大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
そして不意に顔を上げてから、晴海の手を引いて歩き出した。
「行こう、晴」
「えっ?で、でも…」
戸惑いを隠せずにいると、陸はくるりと振り向いて嬉しそうに微笑んだ。
「今から入ってるのは、晴と一緒にいるって予定だから」
「!」
そうして陸は手を繋いだまま、邸には入らず庭園の方へと足を向けた。
辺りは陽が沈みかけていたが、所々に外灯が設置された庭はぼんやりと薄明るい。