いとしいこどもたちに祝福を【後編】
『大丈夫、晴の嫌がることはしないよ』
以前はいつだってそう言ってくれていた、のに。
記憶を取り戻したら、もう以前の陸はいなくなってしまったのか。
「っ…く……ふっ…ぅ……」
込み上げてきた感情は、口の端から漏れる嗚咽と涙に変わって溢れ出した。
その声が耳に届いたらしい瞬間、陸の動きがびくりと止まる。
「…っ!!」
次いで陸は、弾かれたように晴海から身を離した。
だが身が竦んで動けず、晴海はそのままぽろぽろと涙を流し続ける。
「ごめん…晴っ…俺、何やって…っ」
呆然とした様子の陸に謝罪される。
それでも涙は止まらなかった。
「はる…晴、ごめん…っごめんな」
陸は涙を拭おうと手を伸ばしてくれたのだろうが、反射的に両腕で顔を覆ってその手を拒絶してしまった。
「!」
「ひ…っく……りく…っ」
陸に触れたいのに、陸に触れられるのが怖い。
どうすればいいのか解らない。
以前はいつだってそう言ってくれていた、のに。
記憶を取り戻したら、もう以前の陸はいなくなってしまったのか。
「っ…く……ふっ…ぅ……」
込み上げてきた感情は、口の端から漏れる嗚咽と涙に変わって溢れ出した。
その声が耳に届いたらしい瞬間、陸の動きがびくりと止まる。
「…っ!!」
次いで陸は、弾かれたように晴海から身を離した。
だが身が竦んで動けず、晴海はそのままぽろぽろと涙を流し続ける。
「ごめん…晴っ…俺、何やって…っ」
呆然とした様子の陸に謝罪される。
それでも涙は止まらなかった。
「はる…晴、ごめん…っごめんな」
陸は涙を拭おうと手を伸ばしてくれたのだろうが、反射的に両腕で顔を覆ってその手を拒絶してしまった。
「!」
「ひ…っく……りく…っ」
陸に触れたいのに、陸に触れられるのが怖い。
どうすればいいのか解らない。