いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「風弓…」
慌てて身を起こすと、晴海の傍に他には誰もいないことを確認する。
「一人で此処まで来たのか…?独りで行動するなって言ったのにっ…」
思わず咎めるような口調になってしまったと自分でも思ったが、晴海はやはり酷く気落ちした様子で俯いた。
「…ごめん」
「い、いや…無事だったからいいんだけどな?今更一人で帰らせる訳にもいかないし…泊まる気で来てくれたんだろ?」
慌てて言葉を繋ぐと、晴海は浮かない顔付きのままこくんと頷いた。
「俺もさ、ちょうど退屈してたんだ。だから良かったよ」
「ほんと…?私、邪魔じゃない?」
「うん」
大袈裟な程に首を縦に振って見せると、晴海は弱々しく微笑んだ。
「…良かった」
晴海の様子がおかしいことは一目瞭然だった。
昨日も色々と悩んでいたし、もしや陸と何かあったのだろうか。
でもきっと今はあれこれ詮索されたくないだろうから、何も訊かないでおこう。
「…ところで姉ちゃん。飯、食べたのか?」
時刻は夕食時を少し過ぎた辺りだ。
微妙な時間帯なだけに、食べそびれている可能性は高い。
慌てて身を起こすと、晴海の傍に他には誰もいないことを確認する。
「一人で此処まで来たのか…?独りで行動するなって言ったのにっ…」
思わず咎めるような口調になってしまったと自分でも思ったが、晴海はやはり酷く気落ちした様子で俯いた。
「…ごめん」
「い、いや…無事だったからいいんだけどな?今更一人で帰らせる訳にもいかないし…泊まる気で来てくれたんだろ?」
慌てて言葉を繋ぐと、晴海は浮かない顔付きのままこくんと頷いた。
「俺もさ、ちょうど退屈してたんだ。だから良かったよ」
「ほんと…?私、邪魔じゃない?」
「うん」
大袈裟な程に首を縦に振って見せると、晴海は弱々しく微笑んだ。
「…良かった」
晴海の様子がおかしいことは一目瞭然だった。
昨日も色々と悩んでいたし、もしや陸と何かあったのだろうか。
でもきっと今はあれこれ詮索されたくないだろうから、何も訊かないでおこう。
「…ところで姉ちゃん。飯、食べたのか?」
時刻は夕食時を少し過ぎた辺りだ。
微妙な時間帯なだけに、食べそびれている可能性は高い。