いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「ううん……でも、いいの。あんまりおなか、空いてないから」
予想通り。
「姉ちゃん…そんなだからいつまでも細っこいままなんだぜ?」
少しわざとらしい呆れ口調で話して見せると、晴海は少し拗ねたように頬を膨らませた。
「風弓だって、似たようなものじゃない」
「俺は着痩せしてんだ。実は脱ぐとすげえんだぞ」
「なに、それ」
まあ、残念ながら嘘だけど。
晴海がくすくすと笑い声を上げて顔を綻ばせたので、良しとしよう。
姉が笑っていると、自分も嬉しくなる。
「――…ねえ、ふゆちゃん」
ふと何気なく子供の頃の渾名で呼ばれ、気恥ずかしさで一気に頬が紅潮した。
「…!!ちょっ…何で今更その呼び方…」
思わず抗議の声を上げると、晴海ははっとしたように口元を押さえた。
「ごめん。風弓、ちゃん付けされるの嫌いだったよね」
――そう。
ただでさえ名前が女みたいだから、人前でそう呼ばれるのが恥ずかしかった。
けれど、晴海にそう呼ばれること自体が嫌いな訳ではない。
予想通り。
「姉ちゃん…そんなだからいつまでも細っこいままなんだぜ?」
少しわざとらしい呆れ口調で話して見せると、晴海は少し拗ねたように頬を膨らませた。
「風弓だって、似たようなものじゃない」
「俺は着痩せしてんだ。実は脱ぐとすげえんだぞ」
「なに、それ」
まあ、残念ながら嘘だけど。
晴海がくすくすと笑い声を上げて顔を綻ばせたので、良しとしよう。
姉が笑っていると、自分も嬉しくなる。
「――…ねえ、ふゆちゃん」
ふと何気なく子供の頃の渾名で呼ばれ、気恥ずかしさで一気に頬が紅潮した。
「…!!ちょっ…何で今更その呼び方…」
思わず抗議の声を上げると、晴海ははっとしたように口元を押さえた。
「ごめん。風弓、ちゃん付けされるの嫌いだったよね」
――そう。
ただでさえ名前が女みたいだから、人前でそう呼ばれるのが恥ずかしかった。
けれど、晴海にそう呼ばれること自体が嫌いな訳ではない。