いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「――あき、ら」
「夕。帰って来たら、僕は………」
「暁」
躊躇いがちに口籠る青年の上着を握り締めると、少女はその胸元に額を擦り寄せた。
「…それ、帰ったら聞く。賢と慶にもちゃんと話したいから。だから…今はまだ私の父さんでいて」
「うん…」
少女はゆっくりと青年から身を離すと、彼の翠緑色の眼を見つめて微笑んだ。
「行ってくるね、父さん」
憂(うれい) 終.
「夕。帰って来たら、僕は………」
「暁」
躊躇いがちに口籠る青年の上着を握り締めると、少女はその胸元に額を擦り寄せた。
「…それ、帰ったら聞く。賢と慶にもちゃんと話したいから。だから…今はまだ私の父さんでいて」
「うん…」
少女はゆっくりと青年から身を離すと、彼の翠緑色の眼を見つめて微笑んだ。
「行ってくるね、父さん」
憂(うれい) 終.