いとしいこどもたちに祝福を【後編】
瞬間――ずずん、と大きく地面と空気が歪(ひず)んだような衝撃が走る。
「きゃっ…?!」
「地震!?」
それを皮切りに、令嬢たちが一挙に動揺し始める。
「陸様、わたくし怖いですわ!」
「わ、わたくしも…っ」
「大丈夫…そんなに大した揺れじゃないですよ、落ち着いて」
だがこれは、単なる地震か?
揺れが起きる直前に、ほんの少しだけ空気が重くなった気がする。
それに、大陸に国を構える春雷では滅多に地震は起きない。
「――失礼します、陸様」
すると周の部下の一人が、足早に部屋へ駆け込んできた。
彼は父の配下の中でも子供好きで、よく仕事の合間に幼い自分の遊び相手をしてくれていた、陸にとっても馴染みの深い青年だ。
「うん。今のは…」
男は傍らに膝を着くと、小さく耳打ちした。
「街の方角に突如、高濃度の魔力反応が発生しました。発生源は、才臥様や天地様らのおられる病院の敷地内です」
「!!」
「きゃっ…?!」
「地震!?」
それを皮切りに、令嬢たちが一挙に動揺し始める。
「陸様、わたくし怖いですわ!」
「わ、わたくしも…っ」
「大丈夫…そんなに大した揺れじゃないですよ、落ち着いて」
だがこれは、単なる地震か?
揺れが起きる直前に、ほんの少しだけ空気が重くなった気がする。
それに、大陸に国を構える春雷では滅多に地震は起きない。
「――失礼します、陸様」
すると周の部下の一人が、足早に部屋へ駆け込んできた。
彼は父の配下の中でも子供好きで、よく仕事の合間に幼い自分の遊び相手をしてくれていた、陸にとっても馴染みの深い青年だ。
「うん。今のは…」
男は傍らに膝を着くと、小さく耳打ちした。
「街の方角に突如、高濃度の魔力反応が発生しました。発生源は、才臥様や天地様らのおられる病院の敷地内です」
「!!」