いとしいこどもたちに祝福を【後編】
――風弓は、自分に助けを求める晴海の声が聞こえた気がして不意に覚醒した。
頭を上げようとすると、後頭部にずきりと鈍痛が走る。
「…、ってぇ…っ」
痛みに耐えながら辺りを見回すと、自分から少し離れた場所で晴海が苦しげに息をついていた。
それを目の当たりにした瞬間、全身から血の気が引く。
「や、べ…っ」
晴海の周囲にあったものは全て、壁も床も流し台も、強い衝撃波に圧し退けられたように歪んでいる。
「おい、君、これは一体っ…どういうことなんだ?!」
真都もその例外ではなかったらしく、部屋の奥へ弾き飛ばされ逃げ場を失っている。
腰を抜かして当惑する真都やその部下は無視して、風弓は這いずるように晴海の傍へと近付いた。
「姉ちゃんっ…姉ちゃん!駄目だ、やめろ!!」
「ふ…ゆ、ちゃ…んっ……ふゆちゃん…!いやっ…いやぁぁあああっ!!」
だが更に晴海の傍に寄ろうとすると、見えない力に弾かれてしまう。
「姉ちゃんっ…姉ちゃん!!俺は大丈夫だから…!頼む、やめてくれ!!」
必死で懇願するように声を張り上げた。
(俺がぶん殴られたのを見た弾みで気が動転したのか…?!でもまさか、それだけでこんなっ…)
「姉ちゃんっ…!!」
「――無駄だ」
頭を上げようとすると、後頭部にずきりと鈍痛が走る。
「…、ってぇ…っ」
痛みに耐えながら辺りを見回すと、自分から少し離れた場所で晴海が苦しげに息をついていた。
それを目の当たりにした瞬間、全身から血の気が引く。
「や、べ…っ」
晴海の周囲にあったものは全て、壁も床も流し台も、強い衝撃波に圧し退けられたように歪んでいる。
「おい、君、これは一体っ…どういうことなんだ?!」
真都もその例外ではなかったらしく、部屋の奥へ弾き飛ばされ逃げ場を失っている。
腰を抜かして当惑する真都やその部下は無視して、風弓は這いずるように晴海の傍へと近付いた。
「姉ちゃんっ…姉ちゃん!駄目だ、やめろ!!」
「ふ…ゆ、ちゃ…んっ……ふゆちゃん…!いやっ…いやぁぁあああっ!!」
だが更に晴海の傍に寄ろうとすると、見えない力に弾かれてしまう。
「姉ちゃんっ…姉ちゃん!!俺は大丈夫だから…!頼む、やめてくれ!!」
必死で懇願するように声を張り上げた。
(俺がぶん殴られたのを見た弾みで気が動転したのか…?!でもまさか、それだけでこんなっ…)
「姉ちゃんっ…!!」
「――無駄だ」