いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「父さんにも報告、しなきゃ。早く起きてくれれば一番いいんだけど…」
ふと陸は一転して少し寂しげに、未だ意識を取り戻さない父を想って苦笑した。
「目を覚ましたら、物凄い勢いで喜ぶよ?多分煩すぎてお前が軽く引くくらい」
「……にいさん、わらわせないで」
そんな父の姿が容易に想像出来たのか、陸は暗かった表情を緩ませて吹き出した。
陸が笑うと、京も安堵したようににふわりと微笑む。
「報告しておいで?聞いたら飛び起きるかも知れないし」
「…うん」
「晴海ちゃんも、風弓くんや仄さんに婚約のこと伝えてくれるかい?」
「は、はいっ」
「勿論、僕と母さんも後で改めてご挨拶させて頂くけど…風弓くんには、まずは君から伝えて貰ったほうがいいと思って」
「……そう、ですね」
確かに、この場に風弓がいなくて良かった。
もし風弓が此処に居合わせていたら、収束のつかない事態に陥っていそうだ――
・ ・ ・
ふと陸は一転して少し寂しげに、未だ意識を取り戻さない父を想って苦笑した。
「目を覚ましたら、物凄い勢いで喜ぶよ?多分煩すぎてお前が軽く引くくらい」
「……にいさん、わらわせないで」
そんな父の姿が容易に想像出来たのか、陸は暗かった表情を緩ませて吹き出した。
陸が笑うと、京も安堵したようににふわりと微笑む。
「報告しておいで?聞いたら飛び起きるかも知れないし」
「…うん」
「晴海ちゃんも、風弓くんや仄さんに婚約のこと伝えてくれるかい?」
「は、はいっ」
「勿論、僕と母さんも後で改めてご挨拶させて頂くけど…風弓くんには、まずは君から伝えて貰ったほうがいいと思って」
「……そう、ですね」
確かに、この場に風弓がいなくて良かった。
もし風弓が此処に居合わせていたら、収束のつかない事態に陥っていそうだ――
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