いとしいこどもたちに祝福を【後編】
行くって、何処へ――と問うよりも早く、男は晴海と風弓の身体を軽々とそれぞれ片腕で抱え上げた。
「ひゃっ?!」
「うわ…っ」
「京!こっちはいいぞ、先に行け!」
男性がそう声を掛けた瞬間、京は頷いて陸の腕を掴むと白い光と旋風を巻き起こした。
「えっ…」
「逃がすな香也、追え!!」
だが香也が追い付くより早く、二人の姿が風の向こうに掻き消える。
それを見届けたかのように、遅れて自分たちの周囲にも風が舞い上がった。
「!!」
薄暮に来たときと同様、周囲の景色が吹き飛んでゆく――
如月が何か叫んでいる姿も声も、香也が放った攻撃も、全て風に巻き取られて掻き消えていった。
深層の心理と真意 終.
「ひゃっ?!」
「うわ…っ」
「京!こっちはいいぞ、先に行け!」
男性がそう声を掛けた瞬間、京は頷いて陸の腕を掴むと白い光と旋風を巻き起こした。
「えっ…」
「逃がすな香也、追え!!」
だが香也が追い付くより早く、二人の姿が風の向こうに掻き消える。
それを見届けたかのように、遅れて自分たちの周囲にも風が舞い上がった。
「!!」
薄暮に来たときと同様、周囲の景色が吹き飛んでゆく――
如月が何か叫んでいる姿も声も、香也が放った攻撃も、全て風に巻き取られて掻き消えていった。
深層の心理と真意 終.