いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「放浪癖とは何だ。ちょっと遠出のお散歩が好きな素敵な伯父様と呼べ」
「「ご遠慮します」」
「何だお前ら、つれないな」
微笑ましい伯父甥の会話だ。
「あの…今更ですけど、此処は…?それに追手が来たら…」
「うん?此処は霊奈の邸の敷地内だぞ。無駄に広いからな、見覚えがなくても無理はないが」
悠梨の言葉に「まあ、確かに広いけどね…」と京が苦笑する。
言われてみれば、遠くに霊奈の邸らしき建物が辛うじて見えるような。
「それに今の春雷は前より警備が厳重になったんだ。そう何度も入り込ませやしないよ」
京は笑っていたが、言葉の節々に言い知れぬ苛立ちのようなものを感じた。
「あ…あの、兄さん。それに晴、風弓…」
ふと、陸が少し落ち込んだような面持ちで声を上げた。
「俺っ…何て言ったらいいか、その……ごめん」
「陸」
やはり風弓や葵と茜同様、洗脳を受けていたときの記憶ははっきり残っているらしい。
となると、あのときの言動に対する罪悪感は計り知れないだろう。
「えっと…京、さん。あんま陸を責めないでくれな?そもそも陸は俺なんかを助けるために、月虹に戻ってきてくれたんだ」
心配げに声を上げた風弓に、京は優しく微笑み掛けた。
「「ご遠慮します」」
「何だお前ら、つれないな」
微笑ましい伯父甥の会話だ。
「あの…今更ですけど、此処は…?それに追手が来たら…」
「うん?此処は霊奈の邸の敷地内だぞ。無駄に広いからな、見覚えがなくても無理はないが」
悠梨の言葉に「まあ、確かに広いけどね…」と京が苦笑する。
言われてみれば、遠くに霊奈の邸らしき建物が辛うじて見えるような。
「それに今の春雷は前より警備が厳重になったんだ。そう何度も入り込ませやしないよ」
京は笑っていたが、言葉の節々に言い知れぬ苛立ちのようなものを感じた。
「あ…あの、兄さん。それに晴、風弓…」
ふと、陸が少し落ち込んだような面持ちで声を上げた。
「俺っ…何て言ったらいいか、その……ごめん」
「陸」
やはり風弓や葵と茜同様、洗脳を受けていたときの記憶ははっきり残っているらしい。
となると、あのときの言動に対する罪悪感は計り知れないだろう。
「えっと…京、さん。あんま陸を責めないでくれな?そもそも陸は俺なんかを助けるために、月虹に戻ってきてくれたんだ」
心配げに声を上げた風弓に、京は優しく微笑み掛けた。