いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「わたしね、眠っているあいだに夢を見ていたみたい」
「夢…?」
晴海が首を傾げると、愛梨はゆっくりと頷いた。
「切れ切れで朧げな部分も多いのだけど…貴女が陸を何度も助けてくれたことをわたしは知ってる。…陸を通じてわたしも貴女を見ていたような感覚に近いかしら」
陸と一緒に、私を見ていた――?
「それって…一体……」
「…もしかすると、母さんは俺と意識をある程度共有してたのかも知れないんだよ。母さんみたいな純血の能力者は希に、自分と同じ属性の能力者と同調することが出来るらしくて」
「そうね。四六時中、まではないけど…良く陸の傍にいる夢を見ているような感じだったわ。でも、そのせいで私自身はずっと眠り続けてしまっていたようね…」
残された周や京のことを想ってか、愛梨は少し憂いを含んだ表情で俯いた。
「…それに、わたしには見ているだけで何も出来なかった…記憶を奪われた陸と同調し過ぎて、自分の身体への戻り方も解らなくなってしまって。この子が苦しんでいても、何もしてあげられないのがつらかった」
愛梨の手が、今度は晴海の両手を取った。
「でも、貴女のお父様が陸を逃がしてくれた。貴女のお母様と貴女が陸を助けてくれた。そして貴女が、此処まで陸を連れてきてくれたでしょう」
その笑顔に、どきりと胸が高鳴る。
愛梨の柔らかな微笑みは、不思議と京と良く似ていた。
「だから陸もわたしも、此処に戻って来られたのよ。有難う、晴海ちゃん」
「で…でも両親はともかく、私は何も……」
「そんなことないわ。陸はいつだって、貴女がいてくれたからこそ前に進んで来れたのよ」
「母さん」
「夢…?」
晴海が首を傾げると、愛梨はゆっくりと頷いた。
「切れ切れで朧げな部分も多いのだけど…貴女が陸を何度も助けてくれたことをわたしは知ってる。…陸を通じてわたしも貴女を見ていたような感覚に近いかしら」
陸と一緒に、私を見ていた――?
「それって…一体……」
「…もしかすると、母さんは俺と意識をある程度共有してたのかも知れないんだよ。母さんみたいな純血の能力者は希に、自分と同じ属性の能力者と同調することが出来るらしくて」
「そうね。四六時中、まではないけど…良く陸の傍にいる夢を見ているような感じだったわ。でも、そのせいで私自身はずっと眠り続けてしまっていたようね…」
残された周や京のことを想ってか、愛梨は少し憂いを含んだ表情で俯いた。
「…それに、わたしには見ているだけで何も出来なかった…記憶を奪われた陸と同調し過ぎて、自分の身体への戻り方も解らなくなってしまって。この子が苦しんでいても、何もしてあげられないのがつらかった」
愛梨の手が、今度は晴海の両手を取った。
「でも、貴女のお父様が陸を逃がしてくれた。貴女のお母様と貴女が陸を助けてくれた。そして貴女が、此処まで陸を連れてきてくれたでしょう」
その笑顔に、どきりと胸が高鳴る。
愛梨の柔らかな微笑みは、不思議と京と良く似ていた。
「だから陸もわたしも、此処に戻って来られたのよ。有難う、晴海ちゃん」
「で…でも両親はともかく、私は何も……」
「そんなことないわ。陸はいつだって、貴女がいてくれたからこそ前に進んで来れたのよ」
「母さん」