いとしいこどもたちに祝福を【後編】
すると陸は、少し照れ臭そうに愛梨の言葉を咎めた。
「ふふ、陸は本当に晴海ちゃんのことが大切なのね」
愛梨はくすくすと笑いながら、陸を優しい眼差しで見つめた。
「私はもう、晴海ちゃんお礼を言うことが出来たから…後はもう一度、きちんと自分の気持ちを伝えなさいね」
その言葉に、陸はばつが悪そうに肩を竦めた。
「…陸?」
「この子ったら、まだ貴女にきちんと言ってないことがあるでしょう?恥ずかしがって、みんなの前でごまかしたりしたみたいだけれど…」
みんなの前――?
「…いいよ母さん、ちゃんと自分で言うよ」
「あらあら。それじゃあ晴海ちゃん、時間を取らせて貰って有難うね。また時間が出来たら、一緒にお話してくれる?うちには女の子がいないから嬉しくって」
再び愛梨に両手を握られたので、晴海はそれに堪えるように手を握り返した。
「は、はいっ…私なんかで良ければ、いつだって…!それに私こそ、有難うございました。陸のお母様にお逢い出来て、本当に嬉しかったです」
「ええ…困ったことがあったら、陸や私に何でも言って頂戴ね――」
「へえ。そんなことがねぇ…何だかいつの間にか色々と話が進んでるんだなあ」
一頻り話し終えると、夕夏は椅子の背凭れに身を預けて腕を伸ばした。
「ご、ごめんね夕夏…事後報告ばっかりになっちゃって」
「え?ああ、いやいや月虹行きの話?仕方ないよ、多分私が一緒に行ってもそれこそ足手纏いだったろうし」
「ふふ、陸は本当に晴海ちゃんのことが大切なのね」
愛梨はくすくすと笑いながら、陸を優しい眼差しで見つめた。
「私はもう、晴海ちゃんお礼を言うことが出来たから…後はもう一度、きちんと自分の気持ちを伝えなさいね」
その言葉に、陸はばつが悪そうに肩を竦めた。
「…陸?」
「この子ったら、まだ貴女にきちんと言ってないことがあるでしょう?恥ずかしがって、みんなの前でごまかしたりしたみたいだけれど…」
みんなの前――?
「…いいよ母さん、ちゃんと自分で言うよ」
「あらあら。それじゃあ晴海ちゃん、時間を取らせて貰って有難うね。また時間が出来たら、一緒にお話してくれる?うちには女の子がいないから嬉しくって」
再び愛梨に両手を握られたので、晴海はそれに堪えるように手を握り返した。
「は、はいっ…私なんかで良ければ、いつだって…!それに私こそ、有難うございました。陸のお母様にお逢い出来て、本当に嬉しかったです」
「ええ…困ったことがあったら、陸や私に何でも言って頂戴ね――」
「へえ。そんなことがねぇ…何だかいつの間にか色々と話が進んでるんだなあ」
一頻り話し終えると、夕夏は椅子の背凭れに身を預けて腕を伸ばした。
「ご、ごめんね夕夏…事後報告ばっかりになっちゃって」
「え?ああ、いやいや月虹行きの話?仕方ないよ、多分私が一緒に行ってもそれこそ足手纏いだったろうし」